居抜きとは、飲食店や旅館が新規オープン、または売却される時に利用される言葉です。
●設備がそのままついてくる
以前、とあるテナントで運営されていた飲食店が閉店したとします。その後、別の飲食店がそのテナントを借りて運営したとしましょう。
その時に、新しい飲食店は以前の飲食店が利用していたキッチンやテーブル内装などをそのまま引き継ぐことができます。
これが居抜きです。
●メリット
居抜きは、売却する側にも、新規で借りる側にもメリットがあります。
・イニシャルコストの削減
新規でお店をオープンする側からするとイニシャルコスト(初期費用)を抑えられるメリットがあります。
初めから諸々の設備がついてくるため、必要最小限の設備投資で済ませることができるのです。
・回収が早い
格安で新規事業を始めることができて、イニシャルコストを短期間で回収できるメリットもあります。
・短期間で出店できる
新規オープンにかける準備期間を短縮することができます。アイデアをすぐ形にしたい場合に便利です。
・現金を作れる
これは店舗を売却する側のメリットです。居抜きを望んでいる経営者は多いため、店舗を売却しやすくなります。
そのため、すぐキャッシュイン(現金を作れる)メリットがあるのです。店舗を売却する経営者は、資金難の場合があるため助かります。
・退去費用の削減
こちらも店舗を閉めたい側のメリットです。通常、賃貸テナントは店を閉める時に原状回復する必要があります。
それにはお金がかかりますが、居抜き物件として手放すのであれば原状回復の費用を削減できるのです。
居抜きで手放す事が決まれば、退去日までの家賃支払いをしなくて済むメリットもあります。
●デメリット
居抜きには、これから紹介するデメリットもあります。
・内装イメージに合わない
新店舗をオープンする経営者は、「このような内装にしたい」というコンセプト思っているのが通常です。
居抜き物件の場合、引き継いだ設備がそのコンセプトに合わないこともあります。
例えば「居酒屋店の居抜きはイタリア店には合わない」というようなものです。
この場合、内装の改修費用がかかります。なるべくその費用をかける必要のないように、コンセプトに合う居抜き物件を探さなければなりません。
・前店舗の悪評を引き継ぐ可能性あり
以前営業していた店舗が評判が悪かった場合、そのテナントで新規オープンした店舗が悪評を引き継ぐ可能性があります。
居抜きの内装をそのまま使っている場合はなおさらです。
訪れたお客様が、「前の店と雰囲気が変わらないね」「この店もすぐ潰れそう」噂するようになります。
そのため、居抜き物件を借りる側は「以前、なぜその店が潰れたのか?」もリサーチする必要があるのです。