家といえばマンションを除き、大抵木造ですが、沖縄では「RC造」と呼ばれる、鉄筋コンクリート構造の家が多数を占めます。なぜ沖縄は、鉄筋コンクリート構造の家が多いのでしょうか? 温暖気候が多い沖縄の家の特徴をご紹介させて頂きます。
温暖気候が多い沖縄の家の特徴

まず、鉄筋コンクリート構造の家は、木造住宅より断熱性に優れています。コンクリートは木より熱を通しにくいため、鉄筋コンクリート構造の家は、木造住宅よりエアコンの効きが良く、温暖な沖縄に最適です。
つぎに、鉄筋コンクリート構造の家は、木造住宅より頑丈です。最大瞬間風速50mなどの台風が、頻繁に通過する沖縄では、鉄筋コンクリート構造の家が欠かせません。木造住宅であれば、倒壊しかねない強風にも、鉄筋コンクリート構造の家は耐えてくれます。この他にも、鉄筋コンクリート構造の家は、地震にも強いというメリットがあります。
さらに、沖縄県の一部の地域では、アメリカ軍の航空機が頻繁に飛行するエリアがありますが、鉄筋コンクリート構造の家のメリットは、これらの地域でも活かされます。木造住宅の上空をヘリコプターが低空飛行すると、家が揺れるほどの音を感じますが、鉄筋コンクリート構造の家は重量があるため、そのようなことがありません。
上記以外にも、鉄筋コンクリート構造の家は、シロアリに強いという特徴があります。沖縄の一部の地域は、シロアリが発生しますが、鉄筋コンクリート構造の家であれば、シロアリに食われる心配もありません。
沖縄で鉄筋コンクリート構造の家が重宝される理由
これらの理由により、沖縄では鉄筋コンクリート構造の家が重宝されています。しかし、沖縄といえば、沖縄旅行のパンフレットなどで見掛ける、玄関先にシーサーなどが置かれた、赤瓦造の木造住宅も象徴的です。これらの家は「琉球建築」と呼ばれますが、続いては、琉球建築で作られた、沖縄ならではの家の特徴をご紹介させて頂きます。
まず、琉球建築の家は、一般的な木造住宅より間仕切りが少なく、風通しを意識した間取りになっていることが特徴です。風通しは、温暖な沖縄の家には欠かせません。また、琉球建築の家は、軒も一般的な木造住宅より深く、長く伸びた軒は、強烈な西日など、沖縄の夏の日差しを防ぎ、家に入ってくる風の温度を下げてくれます。
つぎに、琉球建築の家は、一般的な家より屋根や天井が低く、どっしりとした平屋建てになっています。これにより琉球建築の家は、一般的な木造住宅より、台風時に風が当たりにくく、家が強風で倒壊することがありません。
さらに、琉球建築の家は、家を囲むように石垣を建て、その内側に樹木を植え、台風時に強風が家に直撃しないように工夫しています。この樹木は「屋敷林」と呼ばれ、沖縄だけではなく、日本全国各地にある、沿岸地域の家などでも見掛けられます。
温暖気候が多い沖縄の家の特徴をご紹介させて頂きました。現在沖縄の家は、鉄筋コンクリート構造の家が多くなっていますが、これらは、台風などに備えているだけが理由ではなく、第二次世界大戦により、山や森が焼かれ、木材が不足したことも理由の一つです。よって、沖縄の家は、沖縄の歴史や風土が詰め込まれているといえます。